「じょしらく」見て落語に興味もつ奴とかいるの?

 まぁそれ、あたくしなんですけどね。

 えー、昔はあたくしのような人間をみいはあ族なんて申しまして、しかしながら、落語に関しては子供のころから聞き齧った程度の知識はございまして、昨今の落語業界を雑誌でもって調べたり、落語動画をちょろちょろと観てみますと、これがなかなか面白くなってきまして、春風亭一之輔という噺家さんが百川という古典落語をやられている動画が「特選寄席はなしびと」というPodcastで配信されてますのでまずはそちらをご覧いただきまして、それを踏まえた上でじょしらくをご視聴されるとより一層楽しめるんじゃないかと思っておりましたが、別にそんなことはありませんでした。

 

 さてさて、僕が落語に触れたのは十歳のころでした。

 地元市立大学の生徒さん達でつくる落語研究会、いわゆるどこの大学にでもあるようなオチ研ってやつでしょうが、そのサークル活動の一環として小学生向けに開いた寄席を観たのが、僕と落語との出会いでした。

 寄席の落語とはいってもそれは、場所は学校の教室で、学童机を並べ高座に見立て、その上に着物をきた大学生が座布団を敷いて一生懸命にやりはじめるというような代物でしたから、それを落語と呼んでいいのかどうかはわかりません。肝心の演目はもうすっかりとうろ覚えで、小学生を相手に落語をやるわけですから、そのまま古典落語をやったのでは子供は退屈してしまうでしょうし、かなり言葉を噛み砕いたものではなかっただろうかと思い返しています。

 そんな中でもとにかく記憶に残っているのは、それまで流暢にネタを披露していた学生さんがピタっと動かなくなって「すいません、この後の話をど忘れしました」と言い放ったことで、当然教室は大きな笑いに包まれまして、今でも大変素晴らしい落ちだったと思う訳であります。ダメですけど。その後、忘れてしまったお話を即興で喋り始めてしまい、次第に「EVE The Lost One」の終盤のようなグダグダした流れでその演目は終了したところまでは覚えておりますが、その後、僕がどのようにして落語に興味を持ち、なにをどう間違って伊集院光深夜の馬鹿力まで辿り着いたのかは、すいません、ど忘れしてしまいました。