30歳になりました

1983年生まれである僕は、自分のことをファミコン最終世代だとか、90年代から00年代初頭にかけての尖ったオタク文化をアドゥレセンス真っ只中で享受してきた世代だとか、そんなふうに思ってきたが、我々は決して特別ではなかった。単なるサブカルチャーとしてのそれらを社会の歯車育成カリキュラムの狭間で自ら大量投与し、いろいろとめんどくさい方向に知識と性格、目つき、話し方、挙動等が歪んだ中年のおっさんがまた一人このジャパンに生まれただけに過ぎなかった。

もうそろそろ、思春期からの終わりの見えない延長戦にうんざりしてもいい頃合いだ。漠然とした不安を抱えて何かに誰かに抗うように狭い世界のコンテンツにしがみつく必要などはじめからありはしなかった。追い求めたものは未だに見つからず、僕の図鑑はすでに完成されていて、世界の百科もまた埋め尽くされている。バーチャルは広大であるがゆえに凡人を反映しない。これまでも、この先も、きっと何者にもなれない。