STG初心者がデススマイルズをやるべきただひとつの理由

※本稿は2008年に他所で公開した記事を修正して掲載しております。

1.必ずオールクリア出来る。

 攻略サイトを見て10回もプレイしてればオールクリアは確実に出来ます。
 だってオレがオールクリア出来たから!!!

デススマイルズ 初心者向け攻略 きゃすぱあ11さい】

 テレビゲームをやっていて一番達成感に浸れるときは、きっとゲームをクリアしてスタッフロールとともに流れてくるBGMを聞きながら一息つく瞬間だと思う。プレイ時間の長いゲームならばその感動はより一層大きくなる。

 だけどアーケードのビデオゲームになると話は違う。インカムを稼ぐために10分も遊べば初心者をゲームオーバーに向かわせる。特にいわゆるシューティングゲームSTG)と呼ばれるジャンルはその傾向が如実に表れる。簡単な一面から始まって難しい二面お手上げな三面と、一般ゲーマーの技術ではワンクレジットでスタッフロールはおろか、中盤ステージのボスに辿り着くことさえ出来ないものがほとんど。そうして「面白そうだからちょっとやってみるか」って層の人たちをたちまち「難しくて面白くない」層へと衰退させ、一部のコアなシューターの点取り合戦に落ち着いていく。

 僕は『ストライカーズ1945』がアーケードで稼動し始めた1995年あたりからちょくちょくSTGをプレイしていたが「こいんいっこいれるだけ畑」の人間だった。だから最初の一回だけは確実にプレイする。だけど敵弾の嵐の前に打ちのめされゲームオーバー。どうせクリアなんて出来ないのだからと思ってコンテニューはしないしそのゲームをやり込もうとも思わない。

 STGに関して僕のアーケードでの立ち回りはこいんいっこ入れる→ゲームオーバー→別のゲームにこいんいっこ入れる→ゲームオーバー→別の・・・といった感じでいままで楽しんできた。ほとんどの非シューターなアーケードゲーマーもそうなんじゃないかと思う。STGは一切やらない人のほうが多いかもしれない。

 そうしてあの日も会社の昼休みに駅で昼食を食べた後、近くのゲーセンに寄って暇つぶしに『虫姫さまふたり』をやっていたら隣の筐体に新しいSTGが入荷していた。タイトルは『デススマイルズ』。今じゃ珍しくもない「これなんてエロゲ?」的な萌えキャラのSTGだがゴシックロリータな世界観が面白そうだと思い、こいんいっこ入れてプレイ。

 そしていつものようにゲームオーバー。だけどいつもとは明らかに違っていた。クリア面数4。僕は「これはイケるんじゃないのか?」と思った。

 そう。長々と書いてきたけれど僕が一番言いたいことはそこにある。デススマイルズSTG初心者がやるべきなのはSTGが決してうまくない人がプレイしても「もうちょっと頑張れば大丈夫」という気持ちを起こさせてくれるところだ。弾避けの難しい場面はあっても無理だとは思わせない。無理だと思わなければもう一回もう一回とインカムを重ねる。そしてとうとうワンクレジットでオールクリアを成功させてアーケードのSTGでスタッフロールを流すという達成感に浸れる。この「頑張ればクリアできる難易度」というものがシューターではない初心者に「STGの楽しさ」について目覚めさせることのできる唯一の方法だと思う。デススマイルズはクリアするだけなら巷では「ヌルゲー」と呼ばれSTGの中でも難易度の低い部類に入る。だけど一度でもオールクリアというものを経験すれば次もやってやるぞという自信とモチベーションに繋がる。そしてもっと高い難易度のステージに挑戦する気を起こさせてくれる。

 デススマイルズと同時期に稼動した『オトメディウス』がゲーム内のキャラクターを育成させるシステムであるとするならばこの『デススマイルズ』はその逆、僕たちプレイヤーをSTG初心者から解放し育成してくれるシステムだと思う。STGは今やアーケードゲームの中でも屈指の敷居の高さを誇っている。だからこそSTG上級者に「ヌルゲー」と非難されようとも『デススマイルズ』のような作品はきっと必要なのだと思う。

余談:
 このエントリをこんなに必死に書いたのは初めてアーケードのSTGをオールクリア出来たからなんだけれど、それ以上にTwitter上でたくさんのシューティング好きの方々にお祝いの言葉を頂いたからです。それがクリアした事以上にものすごく嬉しかった。ゲームをどれだけ上手になったって人生には何の影響もないのかもしれないけれど、僕にとってあの日あの場所でクリアしたデススマイルズTwitter上での言葉は忘れられない出来事。