伊集院光深夜の馬鹿力「ちびっこなぞなぞコーナー」が面白い

 中学生の時、お年玉を握りしめて自分用のコンポを買いに行ったらベスト電器の店員がはつらつとしたドヤ顔で「アイワとかクソですよ!」などと演説をはじめて、子供ながらにこーゆーめんどくさい大人にはなりたくないと思いながらジト目で購入したパイオニアのMDコンポで深夜ラジオに入り浸る生活を送っていた。

 当時よく聴いていたのは『林原めぐみのハートフルステーション』と『伊集院光深夜の馬鹿力』という現在も放送されている長寿番組だった。のちにゴールデンマイク賞事件で両番組パーソナリティーの溝がさらに深まることになるのだがそれはまた別のお話。

 高校進学後、ドリームキャストと呼ばれる海外からエロ画像が直輸入できる機械と、パソコンと呼ばれる海外からエロ動画が直輸入できる機会を与えられたので、そちらのほうに右手が忙しくなり、MDコンポの調子の悪さも相まって、次第に深夜ラジオを聴取するというライフスタイルからは遠ざかっていった。

 社会人になり、USBチューナーやPeerCastなんかでラジオを聴く生活を始めようかと考えていた時期もあったが、iTunesに慣らされてしまった体には時間指定で録音なんていう作業がやってられない状態になっていた。

 そんなこんなで2010年、ようやく待ち望んでいたインターネットでラジオが聴ける時代がやって…こなかった。radikoと呼ばれるIPサイマルラジオは対象地域外では聴くことができなかった。しかしながらそんな混沌としたスレにメガネケースの救世主が現れた。

 8円スマホことIS01Androidアプリ『Raziko』によって持たらされたラジオ録音聴取生活は非常に快適だった。マイカー通勤中はもちろん、社用車運転中であっても内蔵のFMトランスミッターでカーラジオを通してスマホ内のありとあらゆる"音"が聴ける手軽さは非常に汎用性が高かった。

 そうして久しぶりの馬鹿力リスナーに戻ったものの、いかんせん昔に比べて最近の放送にピンとくるものがなかった。ハガキ職人のレベルが云々の話をすると古参気取りが何様のつもりかと気分を害される方も多いかもしれないが、2000年あたりの馬鹿力は本当に笑いがとまらないくらいに面白かった記憶がある。

 ここでようやく本題に入るが『ちびっこなぞなぞコーナー』は非常に面白い。その名のとおり、ちびっこたちに向けて出題したいなぞなぞを募集するコーナーなのだが、当然真っ当ななぞなぞとその答えは期待されていない。例えば「ピザって十回いってみて! じゃぁここは?」「答え、小陰唇」なんていうものが登場するが、伊集院光扮するゾナーゾ君というキャラクターが問題を読み上げ、それに続けて伊集院光が答えるというテンポのよい構成がわかりやすく笑いを誘う。昔好きだったコーナーに『早押しクイズQQQのQのQ』という、クイズの答えを先に決めてそれに合わせた問題をリスナーから募集するというものがあったのだが、まさにそれを彷彿とさせる。設問に対する笑いの"正解"が何通りにでも考えられるものであり、問題を聞き、自分の頭で考える時間を与えられ、すぐに思いも寄らない回答が待っている。なぞなぞの"答え"を考えれば考えるほど心が躍らされていく。

 そんなわけで、ちびっこなぞなぞコーナーを今後も楽しく聴取していこうと思っているが、某女性参議院議員からちびっこの教育に悪影響などとして圧力がかからないことを祈るばかりである。