『ある日、爆弾がおちてきて』

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

「人間じゃなくて“爆弾”?」「はい、そうです。最新型ですよ~」。ある日、空から落ちてきた50ギガトンの“爆弾”は、なぜかむかし好きだった女の子に似ていて、しかも胸にはタイマーがコチコチと音を立てていて―「都心に投下された新型爆弾とのデート」を描く表題作をはじめ、「くしゃみをするたびに記憶が退行する奇病」「毎夜たずねてくる死んだガールフレンド」「図書館に住む小さな神様」「肉体のないクラスメイト」などなど、奇才・古橋秀之が贈る、温かくておかしくてちょっとフシギな七つのボーイ・ミーツ・ガール。『電気hp』に好評掲載された短編に、書き下ろしを加えて文庫化。

なんか面白いラノベないかなと思って探したら話題にあがっていたので数ヶ月前に購入。昨日読了。この文庫本は短編集で収録内容を要約すると以下の7作品。

  • ある日爆弾が落ちてきた話。
  • 風邪をこじらせる話。
  • ゾッとする話。
  • 神の話。
  • 中の人が変わる話。
  • 手話。
  • むかし爆弾が落ちてきた話。

ちょっとフシギなボーイミーツガール。あとがきでは時間小説に用いられる様々なギミックを使ったと、図も交えながらわかりやすく解説していたが僕自身はあまりピンとこなかったし、逆に時間モノと思って読んでしまうとなんとチープでペラペラなお話なんだと思ってしまうんじゃないかなと思う。だからダメというより、そういったアイデアやエッセンスを少年少女の視点でゆるりと楽しむ作品集じゃないのかなと思える。この本は短編集という体裁も手伝ってか読後感が非常に心地いい。小難しいことも一切ないのですらすら読める。一冊でいろんなキャラと物語に出会えて非常に得した気持ちになる。

と、ここまで書いておいて肝心の物語の内容の感想となると、あまり書くことが無い。特に書くこともないが僕はこの本に収録されているお話がどれも好きというなんともよくわからない感想。「むかし、爆弾がおちてきて」と「三時間目のまどか」のアフターストーリーが読みたいです。

追記:
いやいや、なんだかんだで全てはボーイミーツガールなんですよ。少年少女の恋愛なんですよ。素敵な出会いがたくさん詰まった本書はそりゃ心地いいはずですわとか今更過ぎなんですよ。少年が少女に出会うわけですよ。そこで物語が生まれて、もうね、感動ですよ。考えてみたら世界はボーイミーツガールの連続ですよ。主人公が敵と戦ってなくても、ヒロインが死ななくても、少年と少女が出会うだけで、なんかもうそれでハッピースタートじゃないですか。「むかし、爆弾がおちてきて」なんて、しばらくずっとボーイミーツガールじゃないですか。ボーイミーツガールをいつまでも眺めてたいレディースアンドジェントルメンですよ。