脳内小町

二十代後半既婚男性です。

結婚してから、セックスめんどくさい、なんて思うことが多くなった。僕も嫁も子どもは欲しいと思っている。わかってはいるつもりだけれど、ここ数ヶ月、僕から誘うなんてことはほとんどない状態なのだ。セックスが快楽から情に変わりそれが今度は種付けに変わったと感じてしまう。嫁さんはただただ愛して欲しいと願いそれを実感したいだけなんだろうけれど、どうにも僕にはそのへんの甲斐性が欠落している。思春期に培ったオタク的な処女信仰が心のどこかに矛盾した影を落として、嫁さんからの求めに怪訝な顔をしてしまう。ポケットに手を突っ込んでセンチメンタル通りを練り歩いていた17歳の僕からすれば、それはきっと想像も出来ないような贅沢なんだろう。

二十二歳の東小金井駅からの帰り道、友人は「セックスよりオナニーのほうがいいよ」とうそぶいた。衝撃の実態に何を馬鹿なと思ったけれど、今の僕には理解できないアンインストールされるだけの彼の話をそのときは黙って聞くしかなかった。そのとき僕は童貞だった。

性欲なんていう概念はフロイト先生のアナルにおちんちんを突っ込むくらいのことをしないと僕の頭では到底理解出来そうにないが、セックスもオナニーも性欲処理の一環と見なすのなら、友人の言わんとすることは理解出来そうな気がする。

僕は極めてオナニーが大好きなので、オカズが偏らないように常に気をつけている。その日その日で新鮮なエロをインターネットから吟味、オナホやローションで創意工夫して供する。その様はさながらミシュラン三ツ星な高級料亭の佇まい、とは今思いつきで言ったにしろさすがに失礼だろう。

オカズとオナホとコンドームは創作出来るけど、既婚男性のセックスにそれを求めるのは難しいと考えるとどうだろうか。結局のところこーゆー話はずっと嫁では飽きてしまうという結論になりがちだけれど、僕が武田弘光やマイノリティや完顔阿骨打ゴージャス宝田EB110SSが好きな理由が、キャラやシチュは違えどその絵柄に惹かれているところが大きいのだとしたら、きっと夫婦間が抱えている床問題だってスパッツやスク水やブルマなんていう布切れ一枚で解決する話なのかもしれないし、ルーズソックス一足でどんな悩みも解消した日本一の男の魂を思い出した。

そうしてやっぱり、それを土下座(ゲザ)るのがめんどくさい、ということで振り出しに戻る。最低だ。