フリクリ

初めて購入したDVDはOVAのフリクリだった。高校生だった当時、買ってもらったばかりのパソコンに普及し始めたばかりのDVDドライブがついていたので、それとパワーDVDとかいうソフトで鑑賞していた。

夕方六時からのテレビ東京系列のアニメを欠かさず見ていた僕が憧れていたのは、番組の合間に流れるLDのOVAのCMだった。ガキの僕にはやたらに高いアニメ作品を買うことなんて当然出来ずに、憧れているうちにメディアがLDからDVDに変わっていったけれど、いつかはOVAを買うという夢は変わらなかった。

高校生になってお小遣いが増えたが、それでも一本六千円のOVAを買うなんてことは出来なかった。メディアがなんであれアニメ作品は高い。それは昔も今も変わらないように思う。しかしながら、フリクリはOVAでありながら一本三千円だった。高校生の僕のお小遣いでもなんとか買える値段だった。

今はなき近所のレコード屋に電話で予約して発売日にチャリを走らせ買いに行った。初めて買ったOVAの映像はとても綺麗だった。フリクリは変なアニメだったけど、もう嬉しくて嬉しくて何度も何度も再生を繰り返した。

好きなアニメは何ですかと質問されたら返事に困るが、好きなOVAは何ですかと言われたらフリクリと即答する。僕にとってフリクリはそんな作品で、今でもベスパとリッケンバッカーに憧れている。