すべてのRPGを過去にするべきではなかった

迷惑メールをチェックしているとたまに、昔よく遊んでいたネットゲームのイベント告知が紛れていることがあって、あのとき一緒に遊んでいた人たちは今は一体何をしているのだろうと思いを馳せることがある。

僕がネトゲに出会ったのは千年紀の終わりではなく、西暦二千年の終わりで、それはドリームキャスト用ソフトとして発売された『ファンタシースターオンライン』というMORPGだった。あの頃、毎日のようにパーティーを組んで一緒に遊んでいた数十人の仲間たちが僕には確かにいたのだけれど、今現在、連絡先を知っているのはたったの一人しかいなくなってしまった。

思い立って、当時のメンツを検索してみたけれど、現在の連絡先に繋がるような情報はなにひとつとして見つからなかった。自己主張の強い僕ですらネトゲのキャラ名とハンドル名はイコールではないのだから、破滅でもしない限りそれは至難の業なんだろう。

検索してたどり着いた先々の、更新の止まったWeb1.0の個人ホームページは404へと収束していくゼロ年代の遺産で、僕はそれを感傷的に眺めることしか出来ないから、どこかの誰かが僕を見つけてくれるように、どこかの誰かが僕を見失わないように、僕はこれからもインターネットに足跡を残していきたい。たとえそれがタチの悪い思い上がりであったとしても、僕はここにいると主張する。