音ゲーとSTGについて

ゲーセンにはシューティングゲームという古典芸能をわりと多めに扱ってる店舗があって、僕が住んでるとこの近所にも稀によくあります。 それとは別に、脱ヲタ男子とサークラ女子が楽しめる音ゲーというカジュアルなジャンルを中心に扱っているアミューズメント施設があります。 よく、この二つを対比させてシューティングゲームはなぜ衰退したのかと言われることがありますが、んじゃ、どうしたら、あそこでタバコ吸いながら萌えスロ打ってる萌えブタとか、鉄拳やってるチーマーとか、レースゲーやってるツナギの兄ちゃんとか、カードをくるくる回しながら対戦してる童貞とかをシューティングゲームをプレイする層に取り込めるかを僭越ながら考えてみました。まとまってないですけど。

まず若年層に大人気の音ゲーからシステムをパクリましょう。音ゲーは明示的に、プレイする曲とその難易度をプレイヤーの選択に委ねるシステムを採用してるものが多いです。これによってプレイヤーはそれぞれのスキルや好みに合わせてゲームを楽しめるようになります。『デススマイルズ』は自由度は低いものの、こういったシステムを巧みに利用した好例だと僕は思っています。音ゲーの難易度に相当する部分をシューティングゲームではミスやアイテム獲得によるランク調整という非常に分かり辛いシステムで実装していますが、難易度を下げるために自爆するとか、特定のアイテムしか取らない等、本末転倒な攻略方法になってしまっているタイトルが数多くあるのが現状です。まぁヘンタイが作ったゲームをヘンタイが攻略するので仕方ないですね。

次にソーシャルな部分。現在の音ゲー、というかぶっちゃけコナミe-AMUSEMENT PASSみたいなシステムがシューティングゲームに欲しいですねって話なんですけど『オトメディウス』なんかはここらへんが強力に作用していましたね。僕はやってないので詳しく知らないですけど。『式神の城』なんかは疑似的に現在のオンラインスコアシステムのようなものを採用していましたね。あの長いパスワード、めどいので僕はいっさいメモったことないので詳しく知らないですけど。ただ筐体をオンラインに繋いじゃうとコストかかって仕方ないと思うんですけどどうなんでしょうと思ってたんですけど、(カードではなく)システムとしてのNESiCAxLiveとかがかなり普及してるあたり、そういった部分の問題はクリアされてるんじゃと思ったりして、だったらゲーム外の部分でプレイヤー間で盛り上げることが出来そうな気がする。

では、音ゲーで「曲」にあたる部分、シューティングゲームでは「ステージ」や「面」と言われているものですが、これを音ゲー並に多種多様にすることは可能でしょうか。無理に決まってんじゃんそんなん絶対無理に決まってんじゃん音ゲーみたいに曲にピコピコ譜面つけてんのとわけが違うんだよ斑鳩は全ステージ芸術の塊なの!って声が聞こえてきたので非常に難しいです。困りましたね。そもそもシューティングゲームは製作者とプレイヤーの知恵比べみたいな印象があるので、ひとつひとつじっくり練られていると思います。それが3ステージくらいクリアするごとにマニアックとかウルトラとかアレンジとかいうアペンドするような、あれ?なんかそんなモード実装したゲームありましたね。

多種多様なステージ選択が難しいとなると、ゲームオーバーに向かわせる閾値の三面あたりを頑張って練習してクリアするしか楽しめる方法はありません。でも今日日そんなことをやるのって真性マゾかシューターくらいだと思うんですけどどうなんでしょう。初心者は三面に辿り着くまでに残機ゼロだったりそもそも一面もクリア出来ない場合もあるでしょうから、ここはもういっそのこと「被弾」すること自体を廃止してみてはどうでしょうか。これは音ゲーで言うところの「最後までプレイさせてやるけど、でもお前そのスコアじゃDランクだからクリアとは認められねぇ、もう100円入れて練習しろや」ってシステムです。

シューティングゲームやり込まない理由ってゲームオーバーになった時点でそのステージのその先が体験出来ないことや、開始ステージを自由に選べないことに対する練習行為の敷居の高さだと思うんですよ。シューティングゲームってしっかり敵の配置覚えて弾の誘導考えて決めボム考えてパワーアップ考えてって、本来そうやって緻密に組み立てていく面白みがあるのに、被弾やゲームオーバーのおかげでその楽しみやらコンティニューする気持ちを結構な割合で削いでると思うんですよね。たとえば今の力量では必ず三面で落ちるシューティングゲームがあるとしましょうか。虫姫さまふたりのダンゴムシ地帯のことですけど。そこで毎回落ちてるのと、そのステージはクリア出来ないけれどステージ全体の流れは掴めている、この二つにはものすごく大きなモチベーションの差が出来ると思うのです。そんなんじゃインカム稼げないと思うかもしれないですけど、ステージクリアの楽しみを知ったのなら、その次は必ずスコア稼ぎの楽しみに移行するはずです。

シューティングゲームって、音ゲーで言うところのステージクリアするのにオールピカグレな!みたいなの求めてくる場合多いと思うんですよね。ちょっと言い過ぎましたけど、全曲フルコンボくらいのことやらないとオールクリアすら出来ないのばっかな気がしてるんですよね。結局のところ、撃って避けるっていう本質は変わらないので、どんだけ頑張っても、プレイする層ってこれからも決して減らないけれど増えることもないのかなぁと思いつつ、まぁゲームはSTGだけじゃないですしと思いつつ、でもゲーセンのSTGにこいんいっこ入れて遊んで、俺は上達しねーなーって思いながら、梅原大吾の『勝ち続ける意志力』を読みながら、いかんいかんこんなことではパルムに笑われちゃうよぉとか言いつつ気がついたら今年で三十路迎える。

まぁ、ただ、被弾しないシューティングゲームだと、被弾したときに首を素早く傾げるというシューターにとっての醍醐味がひとつ減ることになりますね。ダメだこれ。