僕の見たハガキ職人

子どものころ、といっても小学校と中学校の狭間くらいのちょうど正式な手慰みを覚えたか覚えてないかの時期だったように思うが (ちなみに正式ではないほうの手慰みは小学校三年生の夏休みに従姉妹とマッサージ器具を股間に当てながらなにこれすげー気持ちいいんですけどー!ってなってマシンシビリゼーションに明け暮れていた田舎の空、電マの夏) とにかくそこらへんの時期から購読していたゲーム雑誌やアニメ雑誌、夜更かしして聴いていた深夜ラジオ、どこからともなく友達が拾ってくるエロ本、そういった中で活躍していたハガキ職人に、社会人になるかならないかくらいまで、 いやひょっとすると未だに憧れ続けている。

林原めぐみのハートフルステーションを熱心に聴いていた時期があった。番組内の遊星セガワールドというコーナーに元セガの名物広報マンである竹崎忠氏が出演されていて、 必ずセガグッズやらゲームソフトなどをプレゼントしていて、僕はよくそれ目当てでハガキを送っていた。このころはまだ投稿ではなく応募だったけれど、結構な確率で当選していて、 当選者発表で僕のペンネームが呼ばれるたびに嬉しいやら恥ずかしいやらでニヤニヤしながら震えていた。それからしばらくして『千年王国III銃士ヴァニーナイツ』の主題歌である『question at me』のCDシングルを購入したので、 曲の感想を何の気なしにハガキにしたため普通のおたよりとして送ったらラジオ内の雑音リスナーのコーナーで読まれていた。その日は48時間くらいニヤニヤがおさまらなかった。

そこで初めて、他人に文章を読まれるという快感に目覚めたような気がする。むしろ性的興奮を覚えたという表現のほうが適切かもしれない。小学生のころから作文は好きだったが、中学校にあがっても読んでくれるのは親か先生だけという感覚しかなかった。 それが、憧れのリナ=インバースが僕の書いた文章を朗読してくれたのだから、これほどまでに嬉しいことは、きゃんきゃんバニープルミエール2を女友達から借りた時くらいに匹敵していた。 そうしてようやく僕は『ハガキ職人』を意識するようになるのである。

宗教上の理由でドリームキャストマガジンを購読していた時期があった。新作ゲームの情報を仕入れ、サムシング吉松竹本泉の連載作品を読んで、それでもやっぱり最後には読者コーナーを賑わせるハガキ職人に釘付けになるのである。 ゲーム雑誌における伝説の多くはゲーメストパラダイス抜きには語られないが、僕はゲーメストをあまり読まなかったしファミ通も読まなかったので、僕の中で読者コーナーのハガキ職人といえばドリームキャストマガジンの中村る~しあであったりシヒラ竜也であったりするし、KABUのプレハブは今でもお気に入りの巡回サイトである。他にもミレニアムさんとか30円さんとかユニークなハガキ職人がひしめき合っていたのだが、もうすっかり忘れてしまった。 ただ一人だけ強烈に印象に残っているのは「ホイウエアアア!」とかいうニュアンスのペンネームのハガキ職人さんで、一時期はisao.netにHPを持たれていたように思う。 この方の投稿内容も凄まじかった印象があるのだが、投稿量が半端なかったみたいで、女性編集者が怖がるので段ボールいっぱいに送らないでくださいと紙面で諌められるくらいだった記憶がある。 いまどこでどうしているのか、もしご存知の方がおられましたら、こっそり教えていただけるとありがたいです。たぶん僕がハガキ職人すげーと思ったのはあの方のおかげだと思います。

エロ漫画雑誌界のシーラカンス、伝説のハガキ職人三峯徹氏について言及しておきたい。 小学生のころはどこからともなく木の枝を拾って遠足などで杖にして楽しんでいた男の子も、思春期のごく初期のころにはどこからともなくエロ漫画を拾ってくるようになる。 拾ってくるエロ漫画雑誌の表紙は全部違うのにただひとつ違わないのが、読者コーナーに座敷わらしのように存在している氏の作品の数々である。 おそらくあの頃の思春期の男子のハートを鷲づかみにしていたのは永井豪でありみやすのんきであり遊人であり江川達也であり桂正和であり、そして三峯徹であったはずである。 ギネスワールドレコーズに載っていてもおかしくない、その淡々とした職人芸にただただ驚かされるばかりである。

ちょっと前置きが長くなりました。

ついったー開始当初からネタPOSTをして承認欲求を満たしていました。ちょうど路上で自作のポエム売るあの感じです。んで、今年からそのベクトルをそろそろラジオのほうに向けようかと考え出しました。 爆笑問題カーボーイというラジオ番組でメールNo.1グランプリというハガキ職人の大会に初めて触れたのがそう思ったきっかけですけど、まぁカーボーイポッドキャストでしか聴いてないですけど。 もうずっと、僕はもうずっと伊集院光深夜の馬鹿力ハガキ職人に憧れてきました。でもどんだけ頑張っても僕のセンスじゃ到底太刀打ちできないネタばかりでいままで投稿すらしなかったんですけど、 まぁ頑張ってみようと思ってネタを何通か投稿したら先々週くらいにあっけなく読まれてしまってTBSラジオからノベルティとして馬鹿力カードが届いて嫁さんにハガキ職人はじめたことがバレるという幸先のよいスタートになりました。 このままの勢いで今年は田村ゆかりのいたずら黒うさぎ堀江由衣の天使のたまごに投稿しようと思いますけど、声ラジにおけるアナル拡張ネタの採用確率ってどのくらいのもんなんでしょうか。